少しでも楽に
nikkyo07182月27日はとても気持ちのよい1日でした。
それまでの寒さがどこかへいってしまったような暖かで過ごしやすい日でした。チェックイン（朝の会）が始まったときからみんなの気持ちは外に向いており、やりたいことが沢山出てきました。
こんな気持ちのよい日もこれまでなかなか無かったので、とりあえず散歩へ出かけました。寒さを我慢しながら歩くのと、日差しが気持ちいいと感じる日の散歩では全く違います。空は晴れ渡り暖かな日差しを感じているだけで、みんなの会話は弾み笑顔も増えなんだか嬉しい気持ちになってきます。
いろいろな道草やその時々に起きる出来事を味わっていると、かどやへ戻ってきたときには出発したときから2時間半も経っており、おなかもペコペコでした。時間の制約が緩くその場で起きる出来事を味わい尽くせるというのは、不自然なストレスをかけることもなくスタッフにも子どもにも余裕が生まれ、穏やかに過ごすことができる要因の一つではと思います。
昼食後、まだ未完成だった山のアスレチック作りを子ども達と没頭している内に終わりの時間がきてしまいました。まだまだ完成まで時間はかかりそうですが、というよりも完成とはいったい何を指すのかわかりませんが、長期的に取り組める物があるのはいいなと思っています。
この日はとても僕自身がすがすがしく、目の前で起きる出来事がどれも楽しく味わいがいのあるものに感じ、いつもより素直で穏やかでよく笑っていたように思います。
子どもたちが帰った後一息ついているときに、今日という日をこれ以上よくすることってできないんじゃないかと感じました。それは、僕にとっても子ども達にとってもです。もちろん、1日活動している中には様々なことが起こります。その中でいろんな気持ちになった子はいると思います。しかし、様々な出来事というのはその子にとって必要なことが起きており、直面している子ども達はきっと大丈夫という信頼がありました。
ただ合わせて思うことは、この日が特別良かったわけではなくいつもと変わらない日常だったんじゃないかということです。では何が変化してこんなに晴れ晴れとした1日を過ごすことができたかと考えると、僕自身に理由を見つけることができそうです。子ども達やかどや周辺の環境が変わったのではなく、気候の力を借りて僕が心身共に調和の取れている状態だったから、今日という1日が素敵に感じているのではと思うのです。
そう思うと、日頃頭を抱えて悩んでいることというのは自分自身が作り出したものであり、もともとはそんな悩みごとはこの世に存在していないんだということに気がつきます。「これは問題だ。」「なんとかしないといけない。」と思ってしまう気持ちこそ、悩みや不安の種なのかもしれません。
元々子ども達を含め我々もそのままでいいはずなのですが、どうしてもこのままではダメだという思想に陥ります。何かを足そうとしてみたり、元々あるところから何かを引こうとしてみたりと、問題を自ら作っては頭を抱えます。特に我々大人は子どもに比べ、そういう思考に陥りやすいのではと思います。
自分の調和が取れているときというのは、調和が取れていないときに比べ視野が広くなり、大問題だ！と感じていることも大きな自分のほんの一部であるということに気がつくことができますが、日々の日常に追われているとそんな達観することなんてできません。それができたら苦労しないでしょう。頭でわかっているということとそれができるということの間には果てしなく長い道があるように思います。
僕もいろんな人のいろんな言葉が気になって眠れない日がよくあります。だから、夜が嫌で寝られなかったらどうしようと考えてベッドに入ると、案の定いろんな悩みに自分を支配され寝られなくなります。悩みの元をたどれば「もし、こんなことが起きてしまったらどうしよう。」「なんであんなことを言われないといけないんだろう。」「なんであんなことを言ってしまったんだろう。」という今考えてもどうしようもない不安と悩みと後悔です。そんなときに、今の僕は視野が狭くなっているだけなんて、とても考える余裕はありません。そうなってしまったらもう悪循環なので、寝ることを諦めます。そうするといつの間にか寝ることができる日もあります。
教員時代、6年生を受け持ったとき、卒業していく児童の「人を癒やすことができるのは人しかいないと思います。」という言葉が今でも記憶に残っています。自分自身をふりかえってみると、調和が取れ整っているときなんてごくわずかな気がします。そんなときは教え子の言葉にある通り、気持ちを受けてもらい共感してもらうことが自分を整えてくれるということを感じています。調和の取れた自分でいることが自分にとっての平和であり、ひいては子ども達にできる最大の行為であるように思います。
