大人の影響力
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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「子どもが育つうえで、我々スタッフができることはなんだろう。」というのは、日々考えさせられるテーマの一つです。
これが公教育の現場であれば、教科教育の専門性を高め授業力を磨いたり学級経営をする上で子ども達を組織していくための能力を磨いたりとしなければいけないことは明確です。
ただ、なんとかスクールは授業もなければ子ども達を学級のように組織しようとも思っていません。したがって、なんとかスクールのスタッフをするうえでそのような能力が長けていることが重要であるとは言えません。
なんとかスクールではカリキュラムがないため、基本的には子ども達の自主性で活動が展開していきます。やりたいことをしていく中で巻き起こる出来事が教材であり、その体験から様々な学びを獲得していきます。その一連の流れに寄り添い、体験したことをその子自身の学びとして蓄積するお手伝いをすることがスタッフの役割の一つになってきます。
子どもの体験に寄り添い自己実現への支援をするうえで、話の聞き方や介入の程度など心に留めておきたいことはあります。もちろんこれらもとても大切な要素で、常に問い続けていることではありますが、子ども達の育ちに影響を及ぼすことはそれ以外の部分が大きいように思います。
それ以外の部分というのは、関わる大人が子どもの前でどのように在るかということです。
僕自身ありのままを大切にする教育を実践しながらも、気づけば自分がこうあらねばと思ったり、現状を分析するあまり正解を探してしまうことがあります。自分の感じて行動したい気持ちに思考がストップをかけているような感じです。そんなときは大概、子ども達の雰囲気もよくありません。子ども達は大人の雰囲気を敏感に感じ取るので、子どもからすると身近な大人が何か思っていることがあるのに言ってこないのはストレスだろうと思います。ただただ、嫌そうなのか困ってるのか不安なのか心配なのかよくわからない顔でその場にいるだけなのですから。さらに、思っていることがあるけれど言わないというのは自分自身にも大きなストレスです。こんな日はいい気持ちで終わることはできません。
このように思考でがんじがらめになってしまうくらいなら、これまで沢山考えてきたことや理論は捨てる勢いで自分の身一つになって子どもの前に立った方がよいと思います。ただただ自分は今この瞬間どうしたいのかということに目を向け子どもと接するようにします。そんなときにでてくる言葉や態度はとてもポジティブであり、活気づいています。子どもとのふれあいを心から楽しみ、本音で向き合い、共に悩み、ときには涙をながすような、そんな人間らしさがにじみ出ているときに、目の前の子どもを励まし勇気づけ前を向けるのではないかと思うのです。そして、この純粋であるということこそ子ども達の前でできる最大のパフォーマンスではないかとさえ思うのです。
良くも悪くも関わる大人の在り方が、目の前にいる子ども達に大きな影響を及ぼすのです。在り方というのは、優れている劣っているという見方をしないものだと僕は思っています。しかし、在り方は磨いていけるものであるとも思います。そう思うと磨いている人とそうでない人はいるのかもしれません。じゃあどうやって磨けばいいのということになりますが、これも沢山ありそうです。また、その辺りも今後かけたらと思います。